心の窓

雨が、止んでいた

手のひらを返して
感触がないことを確かめる

当たり前のように吸っていた
灰色の空気が無くなっていることに気づく

飽和して溢れそうな水蒸気に包まれながら
サンダルを踏みしめる

*

視界の端に映る
異世界の断片

吸い寄せられるように
視線が 枢軸が 動く

それはいとも簡単に
境界を越えることを受け入れた

白く燃える空 炎舞する雲
静かに轟く龍の渦
白金 白銀 白青の世界

*

息を吹き返した川が石を奏で
潜んでいた鳥たちが空を切る

2本足で歩く繊維を纏った生き物は
その全身の細胞を震わせて
瞬間を呼吸する