ある世界での話

イザイユの木の下で Ⅱ

灰色の雲を突き抜けて 突き抜けて
青い空に身を投げました

羽を止め
光を仰ぎ
天に身を委ねて

少女は地へ吸い込まれていきました


そこは
優しく彩られた草原でした

やわらかい浅緑の芝に
ほろほろと咲く夢色の花
ふわりとひらめく黄はだの蝶

丘に目をやると
1本の木がありました
若い枝葉を立派に伸ばした
瑞々しい木でした

少女は導かれるように歩み寄りました


そして、その木の下に
少年はいました

優しい 優しい まなざし
全てを包み込むような たたずまい

まるで、今までずっと一緒にいたかのように
自然に


“あなたは・・・?”

“なぜ・・・?”

宙に迷う少女の意識を繋ぎとめるように
少年は言いました


「 ずっと、 待ってた 」

fin

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